江戸のお笑い
2018年02月15日
江戸の小話
=江戸の小咄=
晩秋、柿と栗の話。
「クリちゃんは、いいよな。幾重にも衣着てて。」
「なに、言ってんの。柿さんも綺麗なおべべ着てるじゃない。」
「わしのは単衣で寒い、寒い。」
「着てるだけでも、いいよ。ほら、下をご覧な。」
「なになに。あっ、まったけ君。」
「かわいそうに、ふんどしも締められない。」
「は、ハクショイ!クリちゃんと仲良くしたい。」
「エエッ?エッ・・・チ。」
gooブログの方は置き手紙が不具合になるようですが、
置き手紙、その他でご訪問が確認できれば、ブログ村、
ブログランキング等のロゴを必ずクリックしますので
宜しくお願いします。それと相互リンクをお願いします。
小咄11
jizousan at 17:21|Permalink│Comments(6)
2018年01月30日
江戸の小話
=江戸の小咄=
長屋で、親父のわめき声がする。
「おい、起きろ!全く何時だと思ってやがる!」
「・・・シーン」
「おい、かかあ、布団をはいで放り出せ!」
「・・・シーン」
「おめぇのようにな、朝寝ばかりしてやがるとな・・・」
「・・・シーン」
「ホントに、ろくな大人にならないぞ、このガキ!」
シーン、シーン。シーン。
「いつでも、この俺と一緒に起きやがって!放り出せ!」
どた、ばたん!と大きな音。
見ると、親父が泣いていた。
小咄10
jizousan at 11:15|Permalink│Comments(6)
2018年01月15日
江戸の小話
=江戸の小咄=
「はーッ。酒が飲みてぇな、はーッ。」
「雨続きで、商売あがったりだね。」
「うーん、がまんだ、がまんだ。はーッ。」
「あんた、ちょっと待っておいで。」
しばらくして、女房が酒を二合買ってきた。
「おめぇ、いったいどうしたんでぇ?」
「あまりに、あんたがため息をつくので、ほれ・・・」
と女房は中ぞりを見せた。
「えっ!かもじを売ったのか?」
「あんたがね。あまりにも気の毒でね。」
「すまね、すまね、本当にすまね!グス、グスン。」
と涙を流しながら、女房の手を握る。
「なんだね、あんた・・・私まで・・・」
「すまね、すまねぇ、グスン。残りは、三十文程か・・」
「・・・」
小咄9
jizousan at 14:43|Permalink│Comments(6)
2018年01月01日
江戸の小話
=江戸の小咄=
見るからにしわい隠居、吉方初詣に行く。
「これ、三吉、よそ見するな、速く歩け!」
などと怒鳴りながら、歩いて行く。非常にうるさい。
富岡の八幡様へ着くと、一つ大きな深呼吸。
そして賽銭を取り出そうとすると、あいにく4文銭ばかり。
「あーあ、一文銭がない、ない。」
「・・・、・・・?。」
「おい三吉、一文落ちてないか?その辺りを探せ!」
「・・・、・・・??。」
「全く仕方が無い、三吉、こちらへ来い。」
「もういいので、ご隠居。」
「もう清水の舞台から飛び降るぞ、本当に・・・」
「えっ、ご隠居、気をしっかり?」
「4文銭を投げるからな、お前も一生懸命おがめ!」
「隠居だけに、さすがシワしわい。ブツブツ・・・」
新年おめでとう御座います。
本年も宜しくお願いします。
小咄8
jizousan at 18:29|Permalink│Comments(7)
2017年12月11日
江戸の小話
=江戸の小咄=
座頭同士が往来でぶつかった。
「この、大馬鹿者!てめえ、めくらか!」
「そ、その声は葛飾の寅市か!」
「いかにも。そのとらさんだが、おいちゃんは?」
「座頭七じゃ。」
「え、あの有名な座頭市、へぇ、命ばかりは・・・」
「しちじゃ、ななじゃ!」
「なんだ、はな垂れ七か?懐かしいな。」
「近頃はな、前を見ずに歩いてくる馬鹿が
非常に多いのでなあ!」。
「この杖を食らわしてやりたいぞ!」
「俺たちにとってはな・・」
「ぶつかんないとわかんねぇとわな、ワナワナ・・ 」
「まったくこの世は真っ暗だ!」
小咄6
jizousan at 17:24|Permalink│Comments(5)