お笑い
2019年03月07日
江戸の小話
=江戸の小咄=
「狼と山犬の見分けがわからねぇ!」
「なんじゃ、お前はアホか?簡単じゃ。」
「えっ、本当か?」
「じゃ、耳の穴かっぽじいて聞け。」
「ちょっと頭に来るが、まぁ、恩にきる、頼む。」
「狼らしい奴が出てきたらな・・・」
「どうする?」
「棒で、思い切り殴れ!」
「それで!」
「山犬ならば、逃げる。狼なら、食らいつく。」
「その後わん!」
「捕まらないように、逃げる!」
「てめぇが逃げて見ろ、このォ!・・・」
小話・笑話・小咄・18
jizousan at 19:55|Permalink│Comments(4)
2019年02月14日
江戸の小話
=江戸の小咄=
信濃出身の雇い人に、赤い紙を買いにやる。
ところが間違えて黄色い紙を買ってきた。
旦那は非常に腹を立て、いとまを出す。
口入れ屋の亭主はこの信濃者に尋ねた。
「お前は博打もやらず、酒は飲まず・・・」
「へい・・・。」
「女郎は買わず、手癖も悪くない・・・」
「へへへい・・・。」
「なんで、勤めをしくじった?」
「なあに、ほんのちょっとした色事でさ。」
「???。」
小話・笑話・小咄・17
jizousan at 19:57|Permalink│Comments(2)
2018年08月19日
江戸の小咄
=江戸の笑い=
「お客さん、風呂が空いたよ。入りなさらんか?」
「おお、いただこう。」
「おらかいの?」
「いや、湯。」
「いやだー、お客さん、紛らわしいな。こっち、こっち。」
「ねえさん、風呂の後で、冷やで一杯もってきてくんな。」
「おらも冷え症だぞ。試してみるか?」
「まあ、熱燗にしてくれ。」
「ほら、ここだ、たこだ。」
「な、なんと、五右衛門風呂じゃねぇか。さぁ、湯加減は?」
「ちょっと、おきゃくさんね、下駄を履いて入んないでよ!」
「えっ、どうして?」
「昔、そういうお客さんがいて、風呂を壊して困っただわ。」
「はい、心付け。」
「その浮板を踏んではいるだわ。」
「そうか、足から。ぎゃー、熱い、熱い、女中さーん!」
「よんだか、おらを、今日はあいてるぞ。」
「いや、ごめん。水を、うめてくれ?」
「さぁ、これでどうだべ!」
「足から、そろりと?うわー、熱い!」
「お客さん、これでどうだっぺ!」
「まだ熱い、もっと。」
「こんなにうめて、後のお客さんが怒るぞ。」
「なんだ、俺の名を知らねぇのかい。」
「土左衛門かいの?」
「今な、江戸のはやりは、団十郎とこの江戸屋猫足。」
「猫足・・・、どこか、かゆいのかの???」
小話・笑話・小咄・17
ええッ?40度?お風呂の温度です。
jizousan at 22:56|Permalink│Comments(9)
2017年12月25日
江戸の小話
=江戸の小咄=
「ああ、いく、いくーッ!」
と隣から、艶やかな 声がする。
「ええい!昼間っから、何すんじゃい。」
と怒鳴り、表へ出ると隣の戸が閉まっている。
少し戸を開け、のぞきながら、
「こら、こかこーら、まっ昼間に、お宅らは何すんじゃい?」
「はッはーッ、貧乏で仕事無く、夜の事を、今やってます。」
「それは、それは。お互い、底辺、いやてぇへんですな。」
と男は鼻血ブー。あわてて、家へ帰り、戸を閉める。
その真っ最中、今度は隣の亭主が覗いて、
「こら、こら、ペプシこーら、何をしてるのだ?昼間から。」
と問えば、男は息を荒げ、
「貧乏この上なく、二人で夜励むことを、一人でしてます。」
「お互い底辺、いやてぇへんだね・・」
「・・・」
本年は、いろいろお世話になりました。
来年も宜しくお願いします。
小咄7
jizousan at 11:39|Permalink│Comments(5)
2017年12月11日
江戸の小話
=江戸の小咄=
座頭同士が往来でぶつかった。
「この、大馬鹿者!てめえ、めくらか!」
「そ、その声は葛飾の寅市か!」
「いかにも。そのとらさんだが、おいちゃんは?」
「座頭七じゃ。」
「え、あの有名な座頭市、へぇ、命ばかりは・・・」
「しちじゃ、ななじゃ!」
「なんだ、はな垂れ七か?懐かしいな。」
「近頃はな、前を見ずに歩いてくる馬鹿が
非常に多いのでなあ!」。
「この杖を食らわしてやりたいぞ!」
「俺たちにとってはな・・」
「ぶつかんないとわかんねぇとわな、ワナワナ・・ 」
「まったくこの世は真っ暗だ!」
小咄6
jizousan at 17:24|Permalink│Comments(5)