2018年06月
2018年06月05日
江戸の小話
=江戸の小咄=
「この絵はふーん。雪の日に何してんだろな?」
「雪の日にタケノコを掘っている絵だがな。」
「雪の日にタケノコか?さぞ高価だろな。」
「おめぇ、孟宗の親孝行を知らんのか?」
「あれ、どんな話だったっけ?」
「冬、母親の大好物のな、タケノコを探した。」
「冬?バ、バカだねぇ。骨折りぞーん。」
「ところがな、お祈りをするとな、タケノコがな生えてきた。」
「へぇ、もうそうんな話があったのか?」
「それをな、今では孟宗竹という。」
「へぇ、そんなすごい絵か?ペラペラだけどな。」
「今どきな、三つの子でも知ってるぞ!」
「馬鹿にすんな!俺もな、三つの時は憶えていた。」
「本当か?」
「でもな、四つの時に忘れた。」
「・・・?」
小咄15