2018年01月

2018年01月30日

江戸の小話


=江戸の小咄=

長屋で、親父のわめき声がする。

「おい、起きろ!全く何時だと思ってやがる!」

「・・・シーン」

「おい、かかあ、布団をはいで放り出せ!」

「・・・シーン」

「おめぇのようにな、朝寝ばかりしてやがるとな・・・」

「・・・シーン」

「ホントに、ろくな大人にならないぞ、このガキ!」

シーン、シーン。シーン。

「いつでも、この俺と一緒に起きやがって!放り出せ!

どた、ばたん!と大きな音。

見ると、親父が泣いていた。


v128


小咄10


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2018年01月15日

江戸の小話


=江戸の小咄=

「はーッ。酒が飲みてぇな、はーッ。」

「雨続きで、商売あがったりだね。」

「うーん、がまんだ、がまんだ。はーッ。」

「あんた、ちょっと待っておいで。」

しばらくして、女房が酒を二合買ってきた。

「おめぇ、いったいどうしたんでぇ?」

「あまりに、あんたがため息をつくので、ほれ・・・」

と女房は中ぞりを見せた。

「えっ!かもじを売ったのか?」

「あんたがね。あまりにも気の毒でね。」

「すまね、すまね、本当にすまね!グス、グスン。」

と涙を流しながら、女房の手を握る。

「なんだね、あんた・・・私まで・・・」

「すまね、すまねぇ、グスン。残りは、三十文程か・・」

「・・・



v127


小咄9


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2018年01月01日

江戸の小話


=江戸の小咄=

見るからにしわい隠居、吉方初詣に行く。

「これ、三吉、よそ見するな、速く歩け!」

などと怒鳴りながら、歩いて行く。非常にうるさい。

富岡の八幡様へ着くと、一つ大きな深呼吸。

そして賽銭を取り出そうとすると、あいにく4文銭ばかり。

「あーあ、一文銭がない、ない。」

「・・・、・・・?。」

「おい三吉、一文落ちてないか?その辺りを探せ!」

「・・・、・・・??。」

「全く仕方が無い、三吉、こちらへ来い。」

「もういいので、ご隠居。」

「もう清水の舞台から飛び降るぞ、本当に・・・」

「えっ、ご隠居、気をしっかり?」

「4文銭を投げるからな、お前も一生懸命おがめ!」

「隠居だけに、さすがシワしわい。ブツブツ・・・」


新年おめでとう御座います。
本年も宜しくお願いします。

171&151


小咄8

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jizosmile

散歩・旅行・温泉大好き。
音楽はバロック、コーヒーはブラック、笑い。

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