2017年11月
2017年11月27日
江戸の小咄
=江戸の小咄=
盗人を捕らえ、死刑を執行しようとした。

「ま、ま、待ってくせぇ。」

「全く、何が、くさいと言うのだ!」

「お御足が・・違うつうの!」」

「一体、何が言いたいのだ。」

「えんまに会う前に、じ、辞世の歌をよみてぇんでさ。」

「お前などが、歌など詠めるのか?まあ良い、やれ!」

「へぇ、あんがと。どぶ川や〜」」

「何ッ、どぶ川?それが匂うのか!くさ〜ッ!」。

「き、岸の小石は尽きるとも 世に盗人の種は尽きまあじ!」
「はてな、どこかで聞いた歌だな?」

「無い頭を絞り、作りやした。」

「あーっ!五右衛門ではないか!ウソつきめ、死刑だ!」

「いて!これが、この。ぬ、盗み納めで、地獄行き。」


「う、巧い!死ぬ前に座布団やれ!」


江戸小咄5