2013年04月

2013年04月12日

笑い話



吉原は盆灯籠祭り、角町角屋の店先で、若い衆が酒を飲む。

そこへ、溝から大きなカニが、ハサミを上げ出て来た。

「ハサミ上げて、挨拶かい?ハイ、今晩は。」

大カニ、物欲しそうに、様子を見ている。

「なんだ、お前も酒がほしいかに?さあ飲めかに。」

酒杯を、ハサミで持ち、美味そうにお代わりをする。

「なんだ、なんだやるじゃないかに?」

大カニは、どんどん真っ赤になり、泡をふき、仰向けに倒れた。

「そんなとこで、寝てると、茹でて、食っちゃうかに!」

驚いたカニは立ち上がり、溝へ帰ろうとするが、帰れない。

「おいおい、なんでカニ歩き出来ないかに?」

「おうおう、足がもつれた。そっちはてめぇの家じゃねぇぞ!」

「あーあっ、真っ直ぐに、大門を出て行きやがったかに。」

溝から、出て来た蟹の親子がハサミを振っている。

「あんたーっ、カニコロにならないでーッ!」






笑い話・小話・小咄・江戸の笑い・207

jizousan at 10:24|PermalinkComments(20)TrackBack(0)江戸のお笑い | 笑い話

2013年04月09日

笑い話



「お庭に煙草が生えているのが見えますが。」

「えっ、何ですか?」

「タバコが生えてますけど、植えましたか?」

「いや、そんな事は有りませんよ。」

「不思議ですな?」

「ああ、掃除の時、吸い殻でも、落としたんですよ。きっと。」

「じゃ、あそこに生えている豆は、納豆でも落としたの?」

「なんと、鋭い。」

「だはは、あんたの脳にはペンペン草が!」

「何か、いいましたか?」、

「あんたの脳は、唐(から、中国)からのカラ芋(サツマイモ)?」

「えっ、栗よりうまい?褒めてくれて、アリガト!」

「・・・」






笑い話・小話・小咄・江戸の笑い・206

jizousan at 22:42|PermalinkComments(14)TrackBack(0)江戸のお笑い | 笑い話

2013年04月05日

笑い話



「全く、伊勢出身の商人は、がめちいな。伊勢完め!」

「どうしたの、お前さん?」

「あいつの所へ行って、ご馳走して貰った事がない。」

「あら、内でも大した事、してないわよ。」

「明日、あいつの所へ寄る用事がある。」

「大人げないことは、止めてね、あんた。」

伊勢完で案内を頼むと、主人が恵比寿顔で出て来た。

「随分ご無沙汰ですな。今か今かと待ってました。」

「お互い忙しい身では、なかなか。」

「やっときていただいた。何か、差し上げたいが。」

伊勢完女房それを聞き、

「ああ、なんぞ馳走を差し上げたいが。」

「が、どうしたのだ?」

「時化(しけ)続きで、良い魚がないんですよ。」

「どうぞ、お構いなく。もう帰ります。ハイ。」

と腰を上げると、表から、かつお、かつをと魚屋の声がする。

「あんな、うそばっかり・・・、おとといおいで!」

と、雑巾を絞った水を、魚屋にぶっかけた。

「てやんでぇ、いつもいつもシケやがって!」

「・・・、・・・」






笑い話・小話・小咄・江戸の笑い・204

jizousan at 12:38|PermalinkComments(18)TrackBack(0)江戸のお笑い | 笑い話
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